実際に遺伝子からタンパク質を作ってみましょう。
「01:「遺伝子」って何だ?1」
「遺伝子はタンパク質を作るマニュアル」だと書きました。
ではそのマニュアルに沿って、タンパク質を作ってみましょう!
その前にタンパク質って何だ?
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で「タンパク質」を読んでみましょう。
分かりましたね( ͡° ͜ʖ ͡°)
まあ、よく分かりませんが、アミノ酸が長〜く数珠つなぎにつながったものらしいです。
アミノ酸には、
Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、Val
の20種類があります。
覚えなくていいですし、何か分からなくていいです。ただ、なんだか美味しそうな雰囲気がします。
とりあえず表にまとめました。
例えば「Glu」は「グルタミン酸」を3文字で表した略語です。1文字表記にすると「E」になります。
これらのアミノ酸がつながったものがタンパク質です。
じゃあ、遺伝子はというと
「03:遺伝子はどこにあるの?」でちょっと触れましたが、DNAの「タンパク質をコードしている部分(設計図)」を「遺伝子」と呼びます。
DNAは、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)の4種の塩基が長〜く繋がったものです。
この繋がり方でタンパク質の設計図を表現しています。これを「塩基配列」と呼びます。
塩基配列が翻訳されて、タンパク質が作れらます。
翻訳には「謎の翻訳機」が使われます 。真面目に解説すると大変なのでブラックボックスにしておきます(解説はまた今度。気になる人は「RNA」「セントラルドグマ」で検索!)。
ここでは、6個のアミノ酸が繋がっています。こんなに短いものはタンパク質は呼ばずポリペプチドと呼びますが、一応ここではタンパク質として扱います。
具体的に塩基配列をタンパク質に翻訳するための辞書
遺伝子の塩基配列3つで1つのアミノ酸を表現しています。
この時の3つの塩基を「コドン」と呼びます。
この対応表に当たるのが「コドン表」です。タンパク質に翻訳するための辞書です。
表の左一番上のを見てみましょう。
「TTT→Phe」とあります。「TTT」という塩基配列だったら「Phe(F:フェニルアラニン)」に翻訳するという意味です。
長いDNAのどこから翻訳するか分かりませんよね。
開始コドンから翻訳を開始します。
表の左下を見てみます。
「GTG→Val・開始」とあります。
「GTG」という塩基配列があったらここから翻訳を開始してこの場合は「Val(V:バリン)」に翻訳します。
終止コドンが現れたら翻訳終了です。
終止コドンには名前が付いています。「TAA:Ochre」「TAG:Amber」「TGA:Opal」です。なんだかかっこいいです。
実際に翻訳の様子を見てみましょう。
翻訳開始の場所を見つけます。
DNA には方向があります。3’末端と5’末端です。どうやって区別するかはまた今度。
とりあえず翻訳はDNAの3’末端から行っていきます。
DNAの3’末端から「開始コドン」を探します。
今回は開始コドン「ATA」なので「Ile」に翻訳されます。
その後は、コドンである3塩基ずつ翻訳していきます。
終止コドン「TGA」が出てきたので、翻訳終了です。
お疲れ様でした。
実際はもっと複雑です。
ここではなんちゃって翻訳です。気分だけ味わいました。
実際に自分でなんちゃって翻訳してみましょう
なんと練習問題です。
なお私は今までこんな問題を解かせられたことがありません。お遊びです。
できなくてもなんの問題もありません。
できてもなんの役にも立ちません。
解答は「04:解答」に載せました。
適当に書いたのでまちがっていたらごめんなさい。
ところでタンパク質合成はどこで行われているの?
タンパク質合成は何となくイメージできましたか?
実際これは細胞の中で行われています。私たちを構成する細胞がそれぞれがこんな難しいことを行っています。
しかも、こんなに短いアミノ酸の繋がりではなく、ものすごい数が繋がっています。
作られたタンパク質は細胞内に留まって何かの仕事をすることもあるし、細胞から出てきて何かの仕事をします。
出てくる場合で一番イメージしやすいのは…
『毛母細胞(毛根)で作られたタンパク質が出てきて髪の毛になる』ですかね〜。